坂本三佳「人と動物の絆」

水の古都 - 水でつなぐ命

京都市内から1時間半。鴨川沿いから眺めていた北山の奥、そこは滋賀県大津市葛川渓谷の近く。目を潤してくれる霧雨に濡れた針葉樹、雪に耐えられるように造られている急傾斜の屋根、立派な家紋が付いた家々、京都まで流れている川では釣り人が竿を構え、釣りをしている。

家
「鮎といえばここ」と教えてもらい、やって来た。鯖街道沿いに入ると、風情ある山荘がひっそりと佇んでいる。灯籠には「山の辺料理 比良山荘」という文字。上品なセピア色の暖簾の奥から作務衣に身を包んだ美しい女将さんが出迎えてくださった。「まあ、遠いところまでおおきに。ようこそ。」山荘手前の水路にはきれいな山水が涼しげに流れている。水のせせらぎと鳥のさえずりだけが響き、下界の喧噪から遠い、静寂。
女将さんに案内していただき、お庭の生簀(いけす)を覗かせてもらった。生簀の中では、200匹はいるであろう鮎が泳いでいた。体長10センチほどのこれらの鮎は、小鮎(コアユ)と呼ぶらしい。
幼少期の稚鮎(体長5センチ)よりは大きく、成長した大鮎より小さい小鮎は、世界でも琵琶湖にだけ生息する鮎で、小さくとも立派な大人の鮎なのだ。なぜ琵琶湖にいると小さいのか。それは、食物に原因があると言う。琵琶湖内にはわずかなプランクトンしかないため、あまり大きくならないという。

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